小話
AとB、二人の会社員がいた。二人は同期で、今はたまたま同じプロジェクトに所属していた。
能力や、仕事に対する価値観が似通っていたためか、二人は親しい関係にあった。
プロジェクトも終わりに差し掛かったある日、二人は上司に会議室に呼ばれた。
「新しいプロジェクトが立ち上げられる予定である。そのプロジェクトは会社にとってチャレンジングなものだが、やる価値は非常に高い。君たちは興味あるかね?」
Aは迷った。あまりに唐突だったからだ。興味はそそられるが、ここでYesというべきか決めきれなかった。
Aが戸惑っている最中、Bが声を上げた。「ぜひやりたいです!」
かくしてBがその新しいプロジェクトにアサインされた。プロジェクトは困難を乗り越え大成功を収め、Bは次々と大きな仕事を任されるようになった。
一方Aは、良くも悪くも平均的なキャリアを進むこととなった。あのとき、先にAが声を上げていれば、立場は入れ替わっていたのかもしれない。
『セイチョウ・ジャーニー』
いきなり小話から入ってしまったが、要点は「何かを掴み取るには、声をすばやく上げることが大事」ということです。
技術書典5で『セイチョウ・ジャーニー』を著したGrowthfactionのメンバーは、てぃーびーさんのメンバー募集に「声をすばやく上げ」た人たちです。
中身についての感想ですが、これまたてぃーびーさんのパートには共感するものがありました。ゲームをやりこんでいくことで、ゲームそのものの上達だけではなくて友達もできるという嬉しい経験は、私にもあります。
一方、これを仕事に当てはめようとすると、追加で考慮すべき要素が2つ増えます。1つはお金です。お金と成長はイコールではないものの密接に関わっていきます。もう1つはゴールが無数に存在することです。ゲームでは「最強」というゴールがポピュラーであり非常にわかりやすいですが、仕事に関しては自分なりの目標を立てていく必要があります。
さて、先程の小話にはもう一つ要点があります。それは、声を上げるためには自分の行きたいところがどこか決める必要がある、ということです。
チャンスは常に突然やってきます。それを掴み取れるか否かは、普段からそれを待ち構えているかによります。先程チャンスを掴んだBさんは、実は普段から目標についてアウトプットしていたり、すでに別の機会でのチャレンジを通じて、自分の目標をブラッシュアップしていました。だから、どのようなチャンスを自分が求めているか分かっているし、チャンスへのアンテナがビンビンに張られていたわけです。
『完全SIer脱出マニュアル』
転職に向かう舗装された高速道路、それがこの書籍です。
作中での「SIer」の定義は狭く、私はのっけからその定義から外れていました。しかし、「マニュアル」と題名にある通り、これに従っていけば転職できそうな印象を受けます。
特筆すべきは、これが著者のgamiさんだけはなく様々な方の経験を総合したものであるということです。これはPodcast「しがないラジオ」で様々なゲストからキャリアを聞いてきたことが生きています。すると、マニュアルとしてバランスの取れたものになり、無用な失敗を経験せず済みます。
あと表紙めっちゃいいっすねこれ。
まとめ
とりあえずブログとツイッターのフォローを増やしました。
*1:boothのリンクを貼りたかったけど場所わかりませんでした。→教えていただきました(追記済み)