読了:『ファクトフルネス』

最近読書のペースが早くなっているような気がしていてうれしいです。

今回は『ファクトフルネス』です。

ファクトフルネスの大まかなルール

「ファクトフルネス」はなにかというと、事実に基づいて物事を判断する態度であり、それを妨げる自らの本能に自覚的であることです。

まずは要約として、「ファクトフルネスの大まかなルール」を以下に挙げます。

  • 分断本能を抑えるには…
    • 大半の人がどこにいるかを探そう
  • ネガティブ本能を抑えるには…
    • 悪いニュースのほうが広まりやすいと覚えておこう
  • 直線本能を抑えるには…
    • 直線もいつかは曲がることを知ろう
  • 恐怖本能を抑えるには…
    • リスクを計算しよう
  • 課題視本能を抑えるには…
    • 数字を比較しよう
  • パターン化本能を抑えるには…
    • 分類を疑おう
  • 宿命本能を抑えるには…
    • ゆっくりとした変化でも変化していることを心に留めよう
  • 純化本能を抑えるには
    • ひとつの知識がすべてに応用できないことを覚えておこう
  • 犯人探し本能を抑えるには…
    • 誰かを責めても解決しないと肝に銘じよう
  • 焦り本能を抑えるには…
    • 小さな一歩を重ねよう

これだけでも、なんとなく人間には厄介な本能がいくつもありそうだなと感じられると思います。

それぞれの詳細について興味を持ったなら、本書で確認することをおすすめします。

以降は考えたことをつらつら書きます。

事実を集める大変さ

私はTwitterをしょっちゅう閲覧しています。私が見るTLでは、様々なニュースや意見が発せられ、リツイートされています。

本書では、それらの情報は分断や恐怖を煽り、ネガティブすぎるため、実際の統計データ、すなわちファクトにあたることが重要だと述べられています。

しかし、いざ実際はどうなっているのかを自分で調べようと思うと、なかなか重い腰が上がらないということに気づきました。特別に興味を持ったトピック以外、能動的に調べることはなかなかないんじゃないかと思っています。

それを思うと、日々ファクト(統計)を作っている人たち*1、それを分析している専門家には頭が下がります。

マスコミに期待しすぎてはいけない

日本各地や世界で何が起きているかを知らせてくれるのがマスコミです。テレビやSNSを見れば何が起きているのか大まかに掴むことができます。

私のTLではしばしばマスコミが批判されています。例えば、偏っているとか、犯人探しをしているとか、恐怖を煽っているとか、専門家から見るとトンチンカンなことを言っているとかですね。

本書では、マスコミは売れなければならないため、ネガティブな、インパクトのある、すなわち本能に訴える個別事象を取り上げがちになってしまうと指摘しています。

これはそのとおりだと思っていて、マスコミは情報の一つで、専門家の意見や、統計データを参照するとより正確な姿に近づけると思っています。

先程のマスコミへの批判はもっともですが、批判しても自分が気持ちいいだけでマスコミはすぐにそこまで大きく変わっていかないと思います。

本能に気づくための本書

本書では、ファクトフルネスでない10の本能があるから抑えていこうね、という内容になっています。

私が思うに、大事なのは本能で感じ取ったあとに、本書の内容を生かしてその判断や行動を修正していくことです。

ファクトフルネスとはなにかという知識があれば、事実を見誤らせる本能に気づきやすくなるでしょう。

例えは悪いかもしれませんが、ナンパの手順を知っていればそれに引っかかりにくくなることと同じです。

*1:最近の統計偽装には失望していますが……。