読了『ライフ・シフト』

各所で話題になっていたので読みました。

大事そうだなと思ったところをまとめます。

人生100年時代になる

表紙にあるように、人間の平均寿命は伸び続けているので、1991年生まれの私は100年いきてもおかしくないという状況にあります。

その場合、65歳でリタイアしようとすると、所得の何パーセントを貯蓄に回さなければいけないかという問題がありますが、かなり現実離れした値になってしまいます。*1

じゃあどうすんねんという話ですが、基本的には労働期間を伸ばすことになります。しかし、ひたすら働き続けると、自分の知識が古くなっていくので所得は下がっていく。それを避けるために、自己投資(リ・クリエーション)が大事だと述べられています。

感想ですが、所得が下がっていくかどうかはどのような仕事をしているかによる気がします。大事なのは、スキル向上にもならず、あまり価値のない経験しか積めていけないような仕事に就き続けないよう気を付けることだと思います。

無形資産の定義

現金や住宅などの有形資産との対比で、作中では無形資産が定義されています、以下の3つに分類されています。

  • 生産性資産
    • 仕事で成功し、所得を増やすのに役立つもの
    • スキルや知識など
  • 活力資産
    • 肉体的・精神的な健康と幸福
    • 健康・友人関係・パートナーや家族との関係など
  • 変身資産
    • 人生で大きな変化を遂げるために必要な資産
    • 自分について知っていること、多様性に富んだ人的ネットワークなど

作中では、これら無形資産についての話が多いです。

新しい人的ネットワークがキャリアを変える

人生を変えると言い換えてもいいかもしれません。

以下の一節は、僕に刺さりました。

しかも、意外なことに、人々は新しい職に関する情報を親しい友だちから聞くことはあまりない。そのような有益な情報は、たいてい友人の友人など、それほど緊密な関係にない知人から寄せられる。

まず、そういうチャンスがそれほど親しくない人からやってくるという心構えを持てました。さらに、チャンスがよく知らない人からやってくるとすると、それを受けるか否かを考えるのはかなり重い判断になります。なので、それを受ける以前から、どのような職だったらチャレンジしたいかという市場調査・自己分析が必要だと思います。

とはいえ未来は大変

作中を通しての雰囲気は、「100年人生を悲観する必要はないけどそこそこ頑張んないと大変だよ」という感じです。例えば、お金を稼ぐためにハードワークする時期が必要とも言っていますし、自分がどのような人間であるか、どうありたいかというアイデンティティにも向き合う必要があるとも言っています。

とりわけ、私にとっては後者が難題です。私自身アイデンティティ形成が容易な「3ステージ人生*2」を送ると信じて疑わなかったのですが、ここ5年程度でそれが難しいと分かって以降も再適合できてないような感覚があります。

おまけ

作中では何度か、「年に1回の2週間~5週間の休暇だけでは活力資産が損なわれてしまうよ」という記述がありましたが、私は会社員になってから2週間以上の休みはとったことないな……となりました。

*1:ちゃんと計算していませんが、10%や20%では済まない。実家暮らしだとギリギリ可能

*2:大学を出て、会社員として40年ほどを過ごし、引退して余生を過ごすモデル